マルチエージェントシステム

まるちえーじぇんとしすてむ

マルチエージェントシステム

マルチエージェントシステムとは、複数の AI エージェントが役割を分担し、互いに協調・交渉しながら一つの目標を達成する仕組みである。

単一の AI エージェントでは対処が難しい複雑なタスクがある。たとえば、ソフトウェア開発でコード生成・テスト・レビューを一つのエージェントに任せると、コンテキストが膨張し品質が落ちる。マルチエージェントシステムはこの問題に対し、専門化と分業で応える。

典型的なアーキテクチャでは、オーケストレータが全体の計画を立て、コーダー・レビュアー・テスターといった専門エージェントにサブタスクを振り分ける。各エージェントは自身の判断で行動し、必要に応じて他のエージェントに問い合わせる。A2A(Agent-to-Agent)プロトコルのような標準が整備されつつあり、異なるフレームワークで構築されたエージェント同士の接続も現実的になった。

設計上の要所はエージェント間の通信パターンだ。直列パイプライン型はデバッグしやすいが、並列ファンアウト型はスループットに優れる。実務では、まず 2〜3 エージェントの小さな構成で動かし、ボトルネックが見えてから拡張するアプローチが失敗しにくい。

注意点として、エージェントを増やすほどレイテンシと API コストが増加する。筆者のプロジェクトでも、5 エージェント構成が 3 エージェント構成より遅くなったケースがあった。エージェント数は「必要十分」が原則になる。