On the Loop とは、AI エージェントの個々の出力ではなくハーネス(動作環境・制約・ツール)の改善に注力する協業モードであり、ハーネスエンジニアリングの実践において推奨される人間の立ち位置である。
Bockeler 氏が推奨する 3 つ目のモード。Outside the Loop のように丸投げするのでも、In the Loop のように逐一チェックするのでもなく、エージェントが正しく動ける「環境」を整えることに人間のエネルギーを集中させる。### 核心は「何を直すか」の判断 On the Loop の規律は、不満を感じたときに試される。
エージェントの出力にミスがあったとき、最も自然な反応は成果物を直接修正することだ。しかし On the Loop では、その衝動を抑えてハーネス側を変更する。CLAUDE.md にルールを追加する、リンターの設定を調整する、テストケースを追加する——こうした環境への投資は、目の前の 1 件だけでなく以後のすべての出力に効く。
Bockeler 氏はこの好循環を「Agentic Flywheel(エージェンティック・フライホイール)」と呼んでいる。ハーネスを改善するとエージェントの出力品質が上がり、品質が上がるとエージェントに任せられる範囲が広がり、範囲が広がるとさらにハーネスの改善ポイントが見つかる。やがてはエージェント自身がハーネスの改善を提案するようになり、自己強化型のシステムが回り始める。
### On the Loop を維持する難しさ 概念は単純だが、実践には規律がいる。目の前のバグを直したほうが明らかに速い場面で、あえてハーネスを修正する判断は心理的にハードルが高い。短期的な効率と長期的な品質のトレードオフを、チーム全体で共有できているかどうかが定着の分かれ目になる。


In the Loop とは、AI エージェントの出力を人間が逐一レビュー・修正する協業モードであり、品質管理は確実だがエージェントの生成速度に人間のレビューが追いつかないボトルネックが生じやすい。

Outside the Loop とは、人間が成果の仕様だけを指定し、実装の詳細をすべて AI エージェントに委ねる協業モードであり、バイブコーディングとも呼ばれる。

HITL(Human-in-the-Loop)とは、AI システムの出力を人間が確認・修正・承認するプロセスを設計に組み込む手法である。完全自動化ではなく、判断の重要度に応じて人間の介入ポイントを設けることで、精度と信頼性を担保する。



ヒューマン・イン・ザ・ループ(HITL)とは?AIで業務自動化を定着させる「人間参加型」設計の基礎
ハーネスエンジニアリングとは、AIエージェントの誤動作を防ぐためにプロンプト・ツール定義・CI/CDなどの構造的制約を設計する手法のこと。